腸がんを早期に発見するための大切な検査です
1.便潜血検査とはどんな検査?
便潜血検査とは、便の中に目に見えない微量の血液(潜血)が混じっていないかを調べる検査です。大腸がんやポリープは出血しやすく、便に血液が混じることがあります。この血液を化学的に検出することで、大腸の異常を早期に発見することができます。
市区町村の「大腸がん検診」として広く実施されており、40歳以上の方に年1回の受診が推奨されています。自宅で採便できる手軽な検査でありながら、大腸がんによる死亡を減らす効果が科学的に証明されている信頼性の高いスクリーニング検査です。
大腸がんは日本人のがん罹患数第1位(男女合計)、死亡数でも上位を占める重大な病気です。しかし早期発見できれば5年生存率は90%以上と非常に良好です。便潜血検査は「症状がない段階での発見」を可能にする最重要の検診ツールです。
2.検査の方法
2日間、連続して採便します(2日法)。以下の手順で行います。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| Step1 | 採便容器と説明書を受け取ります。 容器は冷暗所(冷蔵庫)で保管してください。 |
| Step2 | 1日目: 排便時に専用の棒(採便棒)で便の表面を数ヶ所なでて採取し、容器に入れます。 |
| Step3 | 2日目: 翌日も同様に採取します。2日分の採便が必要です。 |
| Step4 | 採取した容器を指定された方法・期限内に提出します(通常採取後3〜5日以内)。 |
採便時に特別な食事制限は不要です(現在の免疫法では肉類・野菜などの制限はありません)。生理中の採便は避け、生理終了後に採取してください。
注)海外では1日法が採用されている国が多く、日本でも1日法が検討されています。
3.検査結果の見方
2日間(1日目・2日目)それぞれについて潜血の有無を判定します。どちらか1日でも陽性であれば「陽性」となり、精密検査が必要です。
| 結果 | 意味 | 次のステップ |
|---|---|---|
| 陰性 (1日目・2日目ともに陰性の場合) |
便に血液が検出されませんでした | 来年も引き続き年1回の検診を受けましょう |
| 陽性 (1日目・2日目のどちらか1日でも陽性の場合) |
便に血液が検出されました。 必ずしもがんではありませんが、原因を調べる精密検査が必要です |
大腸内視鏡検査(または注腸X線検査)を受けてください。 放置は厳禁です |
重要
陽性でも約90〜95%はがんではありません(痔・ポリープ・炎症など)。しかし陽性の方が精密検査を受けないと、せっかくの検診が意味をなしません。必ず大腸内視鏡検査を受けてください。
4.陽性になる主な原因
| 大腸がん(最も重要) | 大腸ポリープ(腺腫) | 痔核・痔瘻(いぼ痔・切れ痔) |
| 大腸炎などの炎症性腸疾患 (潰瘍性大腸炎・クローン病など) | 大腸憩室症(憩室出血) | その他の大腸疾患 |
5.精密検査(大腸内視鏡検査)について
便潜血陽性の場合に行う精密検査は、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)です。肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内側を直接観察します。
- 検査でわかること
大腸全体(直腸〜盲腸)を直接観察でき、ポリープ・がん・炎症などを詳細に確認できます。 - 同時に治療も可能
ポリープが見つかれば、その場で切除(ポリペクトミー)することができます。早期がんも内視鏡で治療できる場合があります。 - 検査前の準備
前日の食事制限と当日の下剤(腸管洗浄液)の服用が必要です。腸の中をきれいにしてから検査します。 - 所要時間
検査自体は通常15〜30分程度です(ポリープ切除がある場合はやや長くなります)。 - 鎮静剤の使用
希望に応じて鎮静剤(眠り薬)を使用し、ウトウトした状態で検査を受けることができます。
6.こんな方は特に検診をお勧めします
| 年1回の便潜血検査が特に推奨される方 | 症状がある場合はすぐに受診を |
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以下の症状がある方は、検診を待たずに消化器専門医への受診をお勧めします。
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